身体表現性障害は、痛みや吐き気、しびれなどの自覚的な身体症状(皮膚症状や消化器症状など)が現れ、実際に日常生活にも支障をきたしているにも関わらず、身体疾患、薬物の影響、精神疾患などが医療機関で診察を行っても一切認められない状態を言います。
このような症状を訴える方の特徴として、身体感覚に敏感、物事を悲観的にとらえやすいデリケートなタイプがよく見受けられます。好発しやすい年齢・性別としては、30代以前の若い女性が挙げられます。
発症のしくみとしては、心身による過労、環境の変化(転勤・転校・転居、職場の異動 など)、近親者との死別といったことによるストレスがきっかけになっていて、そのことに対して自覚がない、もしくは言葉でうまく表現できないというような方に身体症状として現れることがあると言われています。
有効な治療方法というのは今のところ確立されていませんが、うつ病や不安障害を発症している方には、抗不安薬や抗うつ薬を用います。